アクアノートの休日 |
発売日:1995年6月30日 開発:アートディンク 発売:アートディンク |
掲載日:2015年5月28日 |
■いざ、まぶたの裏の世界へ
1995年6月30日、PS黎明期に発売されたアクアノートの休日。
開発は、太陽のしっぽとかネオアトラス、風のノータム等の既存のゲーム枠に捉われない妙なゲームを作ることに定評のあるアートディンクです。
アートディンクは自分が一番好きなゲーム会社でもあるんですけどね!
このゲームはFPS視点で潜水艦を操作し、海中を思う存分探索するという内容になります。
ぶっちゃけそれがすべてなので、ゲーム性はありません。
これは海洋シミュレーションです
そもそもストーリーを掻い摘むと
・主人公は海洋研究者
・研究で大発見して一躍有名になるけど、体を壊して辞職
・元上司から復職の要望と「ある海域で漁礁を作ってくれ」という話を受ける
・リハビリも兼ねて海へ
という感じなのですが、本編では特に触れられないですし、ゲームやる上では特に関係ありません。
そういう深いバックボーンがあるんだな程度にしておいてください。
■潜る、泳ぐ、探す
このゲームは基本的に潜水艦を使用して海をうろうろします。
別ゲーで言うなら、ワンダープロジェクトJ2のドルフィン号操縦モードをイメージしてもらえると近いかもしれません。
まぁ、あれと違って漁ができるわけじゃないですが。
また、操作が少々独特であり、○で前進、×で後進、△で浮上、□で下降というもので、最初は慣れないとボタン操作ミスを連発します。
操作ミスを連発したところでデメリットみたいなのは特にありません。海底や岩礁に激突しても、耐久力の概念が無いゲームですから。
ただゴゴォーン!!って感じの鈍い激突音は鳴ります。
タイムリミット等も無いので、ある程度適当に動いて操作に慣れてから、悠々と海中散歩したほうが良いかもしれないですね。
操作に慣れたら、ここからが本番!
海中をうろうろ! どこでも良いから、とにかく潜水艦で行こう!
海には失われた文明の遺物、沈没船、謎の生物の痕跡などいろんなものが見つけられます。
沈んだ水道橋や遺跡は圧巻の一言。
そんな不思議な物を数多く見つけることができますが、見つけても特に何かあるわけでは無い
これはそういうゲームです
■たわむれろ!
海の中ですからね、沈んでいる物体だけじゃないですよ!
当然、お魚さんもいます!
見るだけでもかわいいのですが、潜水艦に備わったソナー機能を使用することで、仲良くなることも可能です
ソナーはL1・R1・L2・R2の4種類。各ボタンごとに別々の音が鳴ります。
魚によって好む音や大嫌いな音、無反応な音と様々。
例えば、コウイカはL1のソナー音に反応するため
L1をちょんちょん押すとくるくる回転しながらこちらに寄って来ます。
クマノミはL2ボタンを押すとお腹浮かべて寝ます。
マンボウはR1を押すと残像を伴いながら超スピードでサマーソルトします(なんでや)
超かわいい
魚を見かけたらソナーを押す。楽しい。これでOK。
魚以外にもタコとかカニとかもちゃんと反応してくれます。が、魚群だけは何鳴らしても無反応。
魚群を見かけたらその中に突っ込んで、一緒に魚になった気分で同じ方向に進むのもまた一興です。
たまに色違いの魚(このゲームのオリジナルカラーリング)も出会えますが、そいつらもなかなか笑える。
真っ黄色のマンボウとか、ショッキングピンクのサメとか腹筋が死ぬレベル
魚と戯れれば楽しいですが、別に好感度とか親愛度みたいなパラメータはありません。
これはそういうゲームです(2度目)
■漁礁を作って観察!
泳ぎ回る、魚とコミュニケーションする以外の、このゲームにあるもう1つの要素。
それが漁礁モード
これは自分で海の中にブロックを沈めて漁礁を作り、たくさんの魚達を呼び込むというもの。
メニューからエディットモードに入ると、いきなりSLGっぽいクォータービューのグリッド画面になります。
ここに赤ブロック、青ブロック、黄ブロックを配置して、リアルタイムである程度時間が経つと魚が寄ってきます。
なお配置した漁礁の様子は海中にも反映され、デフォルトの開始地点横に漁礁と魚が出現します。どんな形か、どんな魚が来ているかはここで一発で把握可能。
漁礁に来る魚にも法則があり、例えば赤ブロックを多めに配置するとタコ・エビ・上記のピンクのサメのような赤系ピンク系の魚が中心になったり。
どんな色のブロックをどれくらい使うか?
ブロックはグリッドにどう配置するか?
バランス良く各種の魚を呼び込むにはどうすれば良いか?
この辺はプレイヤー自身の腕と美的センスの見せ所。好きなようにやってみてください。
で、漁礁を作って目で楽しむ以外に何かあるかと言われれば、あります
ここまで文字通り終わりの無い好き勝手できるゲーム性を説明しましたが、漁礁モードには実はちゃんとしたエンドラインが設定されているのです。
グリッド画面の画面下にメーターがありまして、これは漁礁に集まった魚の数なんですね。
ここが1番右のMAXまで増加させ、魚でいっぱいの良い漁礁にすると……なんとエンディングが始まります!
休暇で海に潜る設定のゲームなのに、魚を増やすとエンディングになるとは一体……
■何を楽しむか、何が楽しめるか
漁礁モードのエンディングはほとんどオマケみたいなもの。見たいがためにがんばっても良いですが、がんばって見るほどでもない。
そもそも、最初のほうで書きましたがこのゲームは潜水艦で海の中をまったり泳ぐ海洋シミュレーションです。
頭からっぽにしてプレイするゲームです。
「漁礁完成させて魚集めなきゃ……」とか「海底の遺物全部発見しないと……」みたいな目的を追求する作品ではありません。
それ故に、あまりの単調さに即投げ出す人だっていると思います。
しかし、ただ潜水艦運転して、ただ魚を眺めて、その単調な美で癒される。心を癒すためのゲームなんです。主人公の目的だってそうだし。
自分は癒されました。だからこそこういうゲームを作ってくれるアートディンクが大好き。
☆総評☆
グラフィック | B |
音楽 | 無し |
ストーリー | 無し |
プレイ感覚 | B |
ゲームバランス | C〜B |
・グラフィック:PS出始めの頃にしては魚のグラフィックがかなり凝ってる。
・音楽:泡ブクブクとソナー音のみ。BGM無し!
・ストーリー:無い!
・プレイ感覚:頭空っぽにしてやると最高に楽しい
・ゲームバランス:個人的には高評価だけど、人によっては退屈かも。
ありそうで無かった「海中を泳ぐだけのゲーム」
みんな癒されたのか、好評につき続編も何本も出ています。
若干魚が追加されたマイナーチェンジ版のアクアノートの休日 メモリーズオブサマー1996、続編のアクアノートの休日2、陸にも上がれるAQUANAUT'S HOLIDAY〜隠された記録〜など
そろそろPS4のクオリティでアクアノートの休日を見たいところなんですが、PS3で出たからなかなかそうもいかないか……。
最近、トロフィー集めに躍起になって疲れたとか、ぼーっと見ているだけでも楽しめるやつがやりたいと思っている人
どうでしょうか? アクアノートの休日
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