クロノ・トリガー(SFC版)
発売日:1995年3月11日
開発:スクウェア(現スクウェア・エニックス)
掲載日:2010年8月19日




スクウェア産RPG全盛期の一つ


クロノトリガーとは、1995年にスクウェア(現在のスクウェアエニックス)から発売されたSFCのゲームソフトです。

1995年といえば、
スーファミ全盛期~過渡期の時期に入っており
ニンテンドー64の登場や、新勢力である
プレステ&セガサターンの登場によって2Dゲームは下火でした。







この時期を狙ったのかどうかわかりませんが、スクウェアは95年付近で
名作と呼ばれるRPGたちを多く輩出しました。


同時期を代表するものといえば、この『ライブ・ア・ライブ』を始めとし、『スーパーマリオRPG』『ルドラの秘宝』『バハムートラグーン』等多々あります。


その中で発売されたのがこのクロノトリガー!


製作スタッフがFFの生みの親である
坂口博信氏がプロデュースを……
ドラクエの生みの親である
堀井雄二氏がシナリオを……
漫画家であり、ドラクエのキャラ作画も担当している
鳥山明氏がキャラデザを……

と、まさにドリームプロジェクトなメンバーによって作られたゲームなのであります!!!




ただ、そのメンツ故に当時は

「FFとドラクエを合わせたようなゲームになるんじゃねえか? しかもRPGだし」

なーんてゲーマー共が疑ってかかったものです。しかも2003年に本当にエニックスと合併するなんてな……



ですが

その内容はドラクエでもFFでもない"クロノトリガーというRPG"だったのです。









■時を超える。運命を変える。世界を動かす。

ストーリー序盤は、主人公クロノがお祭り途中にタイムスリップに巻き込まれてして中世に行く……ということから始まるのですが、そこから様々な時空を巡ることになります。
そんでもって1000年後の世界で「このままだと世界が崩壊する」という事実を知り、それを止める戦いに……。


原始古代中世現代未来の5つの時代を行き来して未来を変えるのが本ゲームでの大きな目的です。


もちろん歴史を変えるのが目的ですから


本来伝え聞いていた通りの歴史(中世の王国兵士がリーネ王妃を救出する正史)が変わったり

クロノ達が介入しなければ正史にならなかった歴史(ゲーム中盤の恐竜人との戦い等)を追体験したり



いわゆる歴史モノのよくある
イレギュラー要素も関わります。
たまにこれタイムトラベル概念として矛盾してね?なんて点もあったりしますが、気にするな。続編のクロノ・クロスよりは矛盾していないですから。







■その名もATB Ver.2

一介のRPGなので、もちろん戦闘はあります。

しかし、そこはスクウェアの力の入れどころ。
本作はFFシリーズの
実績と伝統の戦闘システムであるアクティブタイムバトルを発展させた「ATB Ver.2」という戦闘システムになっています。


おおもとがATBであるので、自分が行動しなくても敵がどんどん行動するリアルタイム戦闘なのは変わらないのですが……

大きく違うのは、戦闘中でも
敵が常に戦闘フィールドを移動し続けるということでしょう。


そもそも本作はエリア上の敵キャラと接触することにより戦闘突入(シンボルエンカウント)なのですが
FFのように戦闘専用画面にはならず、そのまま
今画面内に映っているエリア自体が戦闘フィールドになるという形式をとっています。


敵が移動するということは


当然ながら範囲系攻撃にも制限が出始めます

例えば自分よりもかなり離れている敵には、自分中心に展開する範囲攻撃はヒットしません。



その辺りの戦略をリアルタイムで考えさせられるのも、このゲームでもミソになりますのよ。







■心に残るのはBGMも同じ

本作のBGMを作曲しているのが光田康典さん。

本作にて本格的にゲーム作曲家としてデビューし、以降はイアズマイレブンやゼノサーガなどヒットゲームのBGMを作曲しています。


このゲーム内での全体的にBGMはその時代時代に合った雰囲気の曲がほとんどです。

平和な現代では、透き通ったゆるやかなメロディ
崩壊した未来派、金管楽器など寒く荒涼としたメロディ
魔法が世界を統治する古代では、シタールっぽいエスニックなメロディ

と様々。


特に
「みどりの思い出」(現代フィールド曲)、「風の憧憬」(中世フィールド曲)、「サラのテーマ」「カエルのテーマ」など

やたら心に響くBGMが多いのでございます。

というかフィールド曲が全部イイ曲。未だに鼻歌で歌えるくらい。



フィールドBGMで感傷的な気分になるとか……
そんなゲームなんて『ワイルドアームズ』『ファイナルファンタジー8』とコレくらいなものです。



☆総評☆

グラフィック A
音楽 A
ストーリー A
プレイ感覚 B
ゲームバランス B

・グラフィック:この時代の標準的なドットグラ。それでもかなりキレイ
・音楽:ピアノ、笛、トランペットなど使い分けており雰囲気重視なBGM
・ストーリー:ラヴォス復活後からラストまでの流れが燃える
・プレイ感覚:癒しを求めたい人は是非
・ゲームバランス:クリア後にステータスそのままで引継ぎプレイできるので鍛えまくれます



このゲームは
エンディングが12個(DS版ではクロノ・クロスに繋がるエンディングが増えて13個)もあるので
全部見るためには相当労力を使います。おもにラスボスを倒すタイミングで変わるのですが、ドリームプロジェクトEDがある意味結構面倒くさい。

ただ何度も移植されており、そのストーリーの完成度は一級品です。当時の発売価格は
12000円と値段も一級品でしたが。


個人的にはSFCのRPGの中では一番好きな作品です。




前のレビュー←  →次のレビュー

機種別レビュートップへ

inserted by FC2 system