ありす「初詣に」 桃華「行きましょう!」





年末 テレビ局


ありす「お疲れ様でした」

桃華「お疲れ様ですわ♪」

ディレクター「2人ともご苦労様。今回も良い収録になったよ!」

ありす「ありがとうございます!」

桃華「光栄ですわ♪」

ディレクター「いやいや、2人が出る時は特に視聴率上がるらしいからね。自分としても感謝しか無いよ」




橘ありす(12)




櫻井桃華(12)






モバP「どうもお疲れ様です」

ディレクター「あぁ、どうも。Pさんもお疲れ様です」

モバP「今回もありがとうございました」

ディレクター「こちらこそ、番組の華ですからね。感謝しています」

桃華「そういえばPちゃま、収録開始前に出て行かれましたが」

モバP「あー、急に消えてごめんな。まゆのラジオ収録とかもあったから、動き回っていたんだ」

ありす「大変ですね……」

モバP「みんなの一生懸命な姿が見れるから、これくらいは平気平気」




ディレクター「年内収録分は今回が最後ですね。あとは正月特番を挟むので、次は正月明けになります」

モバP「わかりました」

モバP「今年も一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします」

ディレクター「こちらこそ、よろしくお願いします。良いお年を」

ありす「ディレクターさんも良いお年を!」

桃華「来年もよろしくお願いしますわ!」

ディレクター「はいはい。来年も期待しているよ!」




モバP「共演者もだけど、スタッフにも人気だな」

ありす「そ、そんなことはないですよ」

モバP「みんなに愛されているんだ。良いことだと思う。二人は魅力があるから、当然か」

モバP「それに、スタッフに気に入られる芸能人は伸びるよ。売れるよ」

桃華「根拠とかはありますの?」

モバP「無い!」

ありす「そんな自信持って言わなくても」




モバP「けど、自分がADとかTKをやっていたとして、スタッフだからって雑に扱われたりしたら、偉い立場になった時に絶対そいつは起用しない」

モバP「そう思わない?」

ありす「思います」

桃華「ええ」

モバP「カメラに映っている時だけ良い顔しているだけじゃダメ。でも2人はそうじゃないから伸びる。実際人気あるし」

モバP「ありのままで、思うようにやれば良いさ」




モバP「ラジオ収録もそろそろ終わるな……よし、車乗って行くぞ!」

桃華「では、わたくしが助手席に……」

ありす「待ってください」

ありす「私も助手席が良いです」

桃華「わたくしも助手席が良いのです」

モバP「席とか別に前でもうしろでもそんな変わらないだろう」

ありす「ダメです。士気に関わります」

モバP「そこまでかよ」




モバP「じゃあ、ほらジャンケン。勝ったら前で負けたらうしろ。これでフェアだ」

ありす「待ってください!」

ありす「ジャンケンは純粋に3分の1の神頼み。フェアなのかもしれませんが、勝負としてはいまいち納得しかねます」

ありす「運は自分で掴むもの。神頼みとは違います」

桃華「ジャンケンがダメなら何をするのです? 多数決でしょうか?」

ありす「いいえ。ここはアイドルらしく、己の実力で戦うために……たけのこニョッキを提案します」

桃華「たけのこニョッキ!?」

モバP「それ2人でやる気か!?」

ありす「やろうとすればできます!」




ありす「いきますよ……せーの、たけのこたけのこニョッキッキ!」

桃華「1ニョッキ!」

ありす「1ニョッキ!」

ありす「あー」

桃華「んー……」

モバP「オチが予想通りすぎてコメントが浮かばない」




モバP「それじゃあ2人とも負けたから、どっちももうしろな」

ありす「ま、待ってください! もう少し時間ください!」

桃華「両方負けは勝負と言いませんわ!」

モバP「ダメです。ここで時間を割くとラジオ組を待たせることになるんだから」

モバP「勝負に待ったは無し。やり直しも無し」

モバP「次に頑張ればいいじゃん。な?」

ありす「むぅ……」

モバP「ほい、行くぞー」




ラジオ局


まゆ「それではみなさん、今回のエヴリデイドリーマーズはここまでです」

まゆ「ゲストは二宮飛鳥ちゃんでしたぁ。どうもありがとうございましたぁ♪」

飛鳥「こちらこそ。まさか同じ事務所からオファーが来るとは思わなかったよ」

まゆ「次は来年になっちゃいますけど、また次回も、エヴリデイドリーマーズをお楽しみに〜♪」

飛鳥「なべて世は事も無し。年が変わったとしてもね」

まゆ「良いお年を〜♪」




佐久間まゆ(16)




二宮飛鳥(14)






スタッフ「はい終了でーす。お疲れ様でしたー」

まゆ「ふぅ、お疲れ様でしたぁ。飛鳥ちゃんもお疲れ様です」

飛鳥「なんだかんだでラジオは初めてだったけど、楽しいものだね」

飛鳥「それにしても、毎週定期的にラジオをやるのはなかなか大変なんじゃないかい?」

まゆ「そう思う?」

飛鳥「狭い空間でマイク1本に向かって話し続けるのは、テレビとはまた違う感覚だろう?」

まゆ「うん。私も最初は不慣れな部分もいっぱいだったけど、回数重ねて楽しくなってきたら、だんだん気にならなくなったの」

飛鳥「つまり慣れることか。勉強になる言葉だ」




モバP「おっつかれー」

まゆ「Pさぁん♪ まゆ、今回もがんばりましたよぉ♪」

モバP「そうかそうか。途中退室したから、そのがんばりが見れなくて残念だ」

飛鳥「ボクも、まぁそこそこには」

モバP「本当か? それなら飛鳥にもラジオの仕事を振らないとな!」

飛鳥「今日ですらラジオ初体験のボクに、そんなことできるだろうか?」

モバP「大丈夫。きっと飛鳥のラジオは中高生に人気出るぞ!」

飛鳥「フフ、限られた年齢層向けに特化するのも悪くない」




ありす「まゆさーん」

桃華「あら、飛鳥さんもおられましたのね」

モバP「今日は飛鳥がゲストなんだ。なかなかこの組み合わせは面白いと思ってな」

まゆ「ありすちゃんと桃華ちゃんもお仕事だったのよね? お疲れ様♪」

ありす「まゆさんもお疲れ様です!」

桃華「飛鳥さんもお疲れ様ですわ♪」

飛鳥「うん。キミ達もお疲れ様」




モバP「さて、事務所戻るから車乗ってくれ」

ありす「待ってください!」

モバP「また?」

ありす「一度車を降りたのですから、もう一度決めても良いと思います」

桃華「同感ですわ。前の勝者は決まりませんでしたもの」

まゆ「何かあったんですかぁ?」

モバP「それがだな……」




まゆ「助手席に?」

桃華「ええ。勝ったほうが助手席に座れるという勝負ですわ」

飛鳥「勝者がいなかったっていうのは?」

モバP「両方負けになったから勝者無し。そういう感じ」

飛鳥「いや、全然わからないんだけど」

まゆ「助手席ねぇ。ふーん……」




まゆ「ありすちゃん、桃華ちゃん」

ありす「何ですか?」

まゆ「私も、その勝負に加わっても良い?」

桃華「まゆさんもですか?」

ありす「ライバルが増えるとは、由々しき事態ですね!」

モバP「増えちゃったよ……」




桃華「でも人が多ければ燃えるというもの。どうぞ加わってくださいまし♪」

まゆ「あら、ありがとう♪」

モバP「席にそんな躍起にならなくても。ほら、交代とかさ」

まゆ「Pさん、女性にはどうしても譲れない瞬間があるんですよぉ?」

モバP「何もこんな寒空の下でやらなくても」

飛鳥「争奪戦か、興味深いね」




まゆ「それじゃあ始めましょうか。最初はグー……」

ありす「あっ、違うんですよ。ジャンケンじゃありません」

まゆ「違うの?」

桃華「実力勝負として、たけのこニョッキで決めますわ!」

まゆ「たけのこニョッキ!?」

モバP「だから三人でもできないって!」

ありす「いや、できるかもしれません!」

モバP「さっき無理だったじゃん」




まゆ「わかったわ。正々堂々とやりましょうね?」

ありす「もちろんです!」

桃華「手に入れますわ!」

モバP「寒いからあまり時間かけるなよー。風邪引いちゃうから」

ありす「わかりました。では……せーの、たけのこ……」

飛鳥「よいしょ、っと」

ありす「あっ」




桃華「飛鳥さんが助手席に!」

ありす「ず、ずるいです!」

まゆ「あら……」

飛鳥「そうかい? イス取り競争のように早い者勝ちがダメとは言っていないよね?」

ありす「言っていませんけど……ルール違反です!」

飛鳥「桃華は言ったよ。『実力勝負』って」




桃華「たしかに言いましたが……」

飛鳥「それなら、気づかないうちに虚をつくのも実力、つまり作戦と言えるんじゃないかな?」

ありす「それは、まぁ……」

モバP「いるんだよなぁ、こういう変な揚げ足の取り方する思春期の中学生が」

飛鳥「そんな年頃なものでね、どうも」

モバP「そこは年上として大人げないとか思わないのか、お前は」

飛鳥「中学生だからね」




ありす「くっ……その通りすぎて論破できません」

桃華「反論の隙がありませんわ……!」

まゆ「飛鳥ちゃん、さすがにそれは」

飛鳥「さすがにちょっとやり方がせこすぎたかな? それじゃあ今のは無しで……」

ありす「いえ、間違いなく飛鳥さんはルールの隙を突いて勝負に勝ちました。これは正当な勝利です!」

飛鳥「えっ、良いの?」




ありす「今回は負けましたが、次こそは負けませんから! ヴィクトリーしますから!」

桃華「わたくしも負ける気はありませんわ!」

飛鳥「そうか、わかったよ。次も受けて立とうじゃないか」

飛鳥「……ボクからやっておいてなんだけど、これ大丈夫だったのかな」

まゆ「良いんじゃない? 2人も盛り上がっているし♪」

まゆ「あぁ、もちろん次も私は参加しますからねぇ?」

飛鳥「みんな真剣だね。そんなに助手席が欲しいなんて」




モバP「よーし、じゃあ席順も決定したことだし、寒いからうしろに座ってくれ」

飛鳥「ああ。事務所に戻ろう」

モバP「お前、あとで説教な」

飛鳥「まぁ、なんとなく想像はつく」

モバP「この3人の物分かりが良かったから問題無いものの、普通ケンカになるからな?」

飛鳥「逆転の発想も作戦のうちさ」

モバP「作戦というか単なる騙し討ちだろうに」




事務所


ちひろ「お疲れ様で……す?」

ありす「次は絶対負けませんからね! 絶対です!」

桃華「あっと言わせてみせますわ!」

飛鳥「了解了解。楽しみにしているから」

まゆ「ありすちゃんも桃華ちゃんもやる気充分ねぇ♪」

ちひろ「あの、何かありました?」

モバP「女同士の引けぬ戦いって具合ですかね」




社長「お疲れ様。ずいぶんにぎやかだねぇ、仕事がうまくいったとか?」

モバP「みんな毎回うまくいっていますよ」

社長「それもそうだな!」

ちひろ「Pさん、実はまだまだ書いていただきたい書類とかが……」

モバP「わかりました。みんな、送って行くまでちょっと待っていてくれないか。すぐ終わらせるから」

ありす「わかりました」

桃華「Pちゃまも大変ですわね」

モバP「師走だからね。しょうがない」




ありす「飛鳥さん。飛鳥さんは苦手なものとかってありますか?」

桃華「もしくは嫌いなものとか」

飛鳥「それは、ボクの苦手なものを知ることで戦局的優位に立とう……ということかな?」

ありす「ちっ、違いますよ? 単なる興味ですよ? そうですよね桃華さん?」

桃華「ええ、そうですわ! 他意はありませんわ!」

飛鳥「興味か。フフッ、そういうことにしておくよ」

ありす「そうだ! イヴさんのところに行きましょう!」

桃華「それは良いですわね! まだあいさつもしていませんもの!」




飛鳥「彼女らは、よほど彼の隣がご執心らしい……あぁ、キミもだったね」

まゆ「うふふ♪ 女の子は憧れの人のためなら、どこまでもがんばれるのよ?」

飛鳥「良いんじゃないかな。いばら姫や白雪姫が王子様を待つだけでなく、自分から探しに行くのも物語としては面白い」

飛鳥「いや、違うな。彼というきっかけでアイドルになったのだから、白雪姫ではないね」

飛鳥「シンデレラだ。みんな」

まゆ「あら、素敵な表現ねぇ」

飛鳥「痛いヤツのつまらない戯れ事さ」




ありす「イヴさーん」

桃華「お邪魔いたしますわ」

イヴ「ありすちゃんに桃華ちゃん〜。こんにちは〜」

イヴ「ほらブリッツェン、お二人にご挨拶ですよ〜♪」

ありす「ブリッツェンもこんにちは」

桃華「今日もモフモフですわね♪」

イヴ「一緒にこたつでもどうですか〜? あったかいですよ〜☆」




イヴ・サンタクロース(19)






ありす「はぁ〜……あったかい……」

桃華「やはりヒーターよりこたつですわね……」

イヴ「こたつは和の心。最高ですね〜」

ありす「イヴさんはまだここに住んでいるんですか?」

イヴ「はい。でも、ここも居心地良いですよ〜♪」

モバP「一応探してはいるんだけどな、なかなか見つからなくて」

桃華「Pちゃま。お仕事はもうよろしいのですか?」

モバP「意外と枚数が少なかったから、すぐ終わったよ」




モバP「ペット可のマンションも結構な数を当たってみたが……」

ありす「ブリッツェンですか?」

モバP「犬や猫ならオッケーだろうけど、不動産屋にトナカイですって伝えると『は?』って言われるもん」

桃華「でもブリッツェンは大きく無いですし、おとなしい子ですわ」

モバP「俺もそう言っているんだが、トナカイというのが前代未聞すぎて首を縦に振ってくれなくて」

イヴ「そうですかぁ……」

イヴ「あ、大丈夫よブリッツェン。私はブリッツェンが良い子だって知っているからね〜」




モバP「ところでイヴ? どうだ、快適か?」

イヴ「はい☆ こたつもおふとんも畳も、ぜ〜んぶ最高です〜♪ シャワー室までありますし〜♪」

モバP「そりゃあ野宿に比べればねぇ……」

桃華「ダンボールハウスを建てて寝泊まりしているなんて聞いた時には、肝がつぶれましたたわ」

ありす「いくらなんでも無茶苦茶ですよ」

イヴ「でもでも、どの方もみんな親切にしてくださいましたよ〜?」

モバP「不憫すぎて思わずみんな手を貸すだろうな。誰だってそうする。俺だってそうする」




ありす「それにしても、都合良く事務所にこんな部屋があるなんて」

モバP「寝泊まりできる部屋にシャワー室まであることを考えると……」

モバP「元は宿直のある24時間勤務の会社の事務所だったのかも。警備会社とかそういう」

桃華「なるほど。合点がいきますわね」

モバP「ふとんとかは、万が一仕事が終わらなくて終電逃したら泊まるかもしれないって考えて準備していたものだ」

イヴ「それを私が使っちゃっているんですね〜……なんか申し訳無いですぅ……」

モバP「別に構わないって。ふとんなんだから、使わずに放置するよりは使ったほうが良いんだ」

イヴ「ありがとうございます〜♪」




モバP「あ、そうだった。帰りの準備は少し待ってもらっても良い?」

ありす「何かあったんですか?」

モバP「雫が実家から何か貰ったみたいで、それを持ってくるらしい」

桃華「まあ、ご実家から? 一体何でしょう?」

モバP「あの子の家は酪農家だから、もしかすると……」

イヴ「おいしいものとか〜」

モバP「もしかしたら、そうかもしれないな。まぁ、そんなわけだ」




雫「こんにちはー。よいしょっと」

珠美「うぅ、はぁ……着いたぁ……重っ……」

雫「珠美さん、わざわざありがとうございますー。大丈夫ですかー?」

珠美「はっ、はい! これくらいどうってこと無いですよ! 珠美は鍛えていますから!」

ちひろ「ご苦労様です。あれ、珠美ちゃんも一緒?」

雫「そうですー。荷物が多かったので手伝ってもらったんですよー」

珠美「困った時はお互い様ですからね!」




及川雫(16)




脇山珠美(16)






モバP「やあ、雫……でっかいダンボールだな!」

雫「えへへー。このダンボール2つが実家から送られてきたんですよー♪」

雫「私だけでは無理だったので、珠美ちゃんにも持ってもらいましたー」

モバP「お疲れさん。珠美には荷が重すぎだったろう、物理的に」

珠美「それは珠美がちっこいと言いたいのですか!?」

モバP「いやいや、よくがんばったよ。偉い偉い」

珠美「もうー! 馬鹿にしないでくださいP殿ぉー!」




雫「ご開帳ー♪」

モバP「おー、みかんだ。しかもすごい量」

飛鳥「これが2箱となると相当な個数だね」

まゆ「雫さんのお家は酪農だけじゃなく果樹栽培もやっているんですかぁ?」

雫「いいえー。知り合いのみかん農家さんからいっぱい買ったみたいなんですー」

雫「事務所のみなさんで是非どうぞーって♪」

モバP「そうなのか。もう雫の親御さんには頭が上がらないな。今度お礼に行かないと」




雫「でも、それでもちょっと多いかもしれませんねー……」

ちひろ「みんなで食べたり持って帰ったりすれば、案外すぐ無くなると思いますよ?」

社長「そうそう。みかんおいしいから」

モバP「おーい、こたつ御三家ー、雫がみかん持ってきてくれたぞー」

ありす「みかんですか!」

桃華「季節を感じますわね♪」

イヴ「こたつでみかん、まさに日本のウィンターバケーションですね〜」




ありす「そうだ。飛鳥さん、みかんで勝負しましょう。みかん」

飛鳥「勝負?」

ありす「みかんを剥いて、より白い筋をきれいに取り除けるかどうか」

飛鳥「それ、どうやって判定する気だい?」

飛鳥「筋を全部取っても、みかんは全体的に白いと思うけど。ジャッジの基準点が不明瞭じゃないかな」

ありす「ダメですか……」




ありす「じゃあ、みかんの薄皮をこう……できるだけきれいに、缶詰みかんみたいにするとか」

飛鳥「人力では無理だと思うけど」

桃華「今回は勝負せずともよろしいのではなくて?」

モバP「そうだぞ。せっかくの頂き物なんだから、勝負事のネタにしないでおいしく食べたほうが良い」

ありす「むぅ……わかりました」

雫「遠慮しないで、どんどん食べてくださいねー♪」




社長「イヴ君が言っていたが、こたつといえばみかんだね」

社長「こたつとみかんは2つで1つの日本の心だ」

イヴ「ですよね〜。和ですよね〜」

モバP「畳のある和室で生活して、こたつとみかんのすばらしさを語るデンマーク人か……」

飛鳥「ボクは典型的な日本大好き系外国人みたいで面白いと思うよ」

珠美「和の心を理解しているイヴさんとは、心が通じ合えた気がします!」

モバP「この間、箸でケーキ食っていたけど」

珠美「お箸で!? それは……ちょっと心が離れた気がします……」




モバP「ありすも桃華も今日で仕事納めで……」

まゆ「Pさん、まゆもラジオは今年分終了ですよぉ」

ちひろ「ファッション誌の撮影とかは残っていますか?」

飛鳥「あさってに予定が。ボクと、あとは……」

雫「私ですねー。飛鳥ちゃんと一緒の号に出ますよー♪」

珠美「珠美はみなさんよりちょっと早く仕事納めしたので、フリーです!」

イヴ「私もですよ〜♪」




社長「みんな今年の仕事はほぼ済んだということだね。お疲れ様」

社長「ここにいる7人は入ってきた時期こそ違うが、いつもファンに笑顔と希望を与えてくれた」

社長「事務所の規模は小さいが、君達はその10倍も20倍も大きい活躍をしてくれている」

社長「年が明けても、是非ともがんばってくれ!」

ちひろ「今の社長の言葉、心に響きますね」

モバP「まぁ、ちょっと内容が卒業式の校長先生のお言葉みたいですけど」

社長「それは発言に威厳があるって解釈をして良いんだよね?」




モバP「まだちょっと仕事がある人もいるけど、改めて今年一年みんなお疲れ様でした」

モバP「もう冬休みだっていうのに、遊びや宿題そっちのけでわざわざ出てきてもらって申し訳無い!」

モバP「あとは宿題しつつ、冬休みをエンジョイしてください」

モバP「そして、来年もまたファンのために、一緒にがんばりましょう!」

社長「よっ! ナイス演説!」

まゆ「Pさぁん、良い言葉です。まゆ感動しちゃいましたぁ……」

モバP「え? そんな要素どこにも無くね?」




モバP「当事務所も仕事納め間近なので、ねぎらいの意味も込めて忘年会を」

モバP「……やるにはちょっと未成年が多すぎるので、社長が寿司を奢ってくれるそうです」

イヴ「お寿司ですかぁ〜。最高ですね〜♪」

珠美「それは回らないお寿司でしょうか!?」

モバP「ああ、回らない“出前の”寿司だ。こんなに大勢アイドルが寿司屋に行ったら大変なことになるだろうからね」

珠美「珠美は剣士らしく、太刀魚食べます! 太刀魚!」

モバP「出前寿司のメニューに太刀魚は無いと思うぞ」

社長「いっぱい入っているやつ頼むから何でも食べて良いぞー」




ありす「お寿司……!」

モバP「おっ、良いね。目が輝いているよ」

ありす「な、何を。違いますよ。お寿司で舞い上がるなんて、そんな子供っぽいことしません」

珠美「えっ? それ、珠美が子供ってことですか?」

ありす「あ、いや……」

モバP「そういうことだろうな」

珠美「そっかぁ……」

ありす「えっと、違います! そういう意味で言ったわけじゃないです!」

モバP「楽しみなら楽しみって言えば良いのにねぇ」




桃華「もうすぐ今年も終わりになりますわね」

ありす「そうですね」

桃華「ありすさんもお疲れ様でした♪」

ありす「桃華さんこそ、お疲れ様でした」

桃華「お仕事も色々ありましたが、何かと言えばありすさんと一緒にいることが多かった気がいたしますわ」

ありす「買い物に行ったり、遊びに行ったりしましたね」




ありす「全部、ついこの間の出来事みたいに思えます」

ありす「良い思い出というか、時が経つのって本当に早くて……」

桃華「うふふ♪ なんだかおばあちゃんみたいですわよ?」

ありす「えぇっ!? 私そんなに老けていませんよ!!」

桃華「いえ、昔を懐かしく思うようなセリフがおばあちゃんみたいで」

ありす「それは……だって、そう思っちゃったんですから」

ありす「桃華さんは、そんな感じはしないんですか?」




桃華「わたくしも同意見ですわ」

桃華「嬉しいことや、楽しいことなどいっぱいありました」

桃華「アイドル活動を通して毎日がとても充実しておりますわ!」

桃華「きっと来年になっても、こんな日々が続いてゆくと思います」

桃華「いえ、続きますわね。わたくしがそうしたいと思っておりますので」




ありす「私もそうですよ。ファンのみなさんとか、応援してもらっている人達のために、がんばろうって気持ちになります」

ありす「Pさんや、まゆさん達もいますから今までもがんばってこれましたし」

桃華「うふふ、そうですわね♪」

桃華「だから『良い思い出だった』なんて言うのは、最近すぎてまだ早いですわ」




桃華「ねぇ、ありすさん。ありすさんは来年も良い年になると思います?」

ありす「もちろんですよ! 桃華さんもそうですよね?」

桃華「さっき言った通りですわ」

ありす「来年も良い年にしたいですね」

桃華「ええ。では、良いお年を」

ありす「桃華さんも良いお年を!」




ありす「ところで、桃華さん。一緒に初詣に行きませんか?」

桃華「初詣ですか。良いですわね♪」

ありす「他のみなさんとも予定が合うなら行きたいんですけど……」

モバP「聞こえたぞー。初詣だって?」

ありす「あっ、もう……。女の子の内緒話を聞くのはダメですよPさん!」

モバP「悪い悪い、つい耳に入って」




ありす「事務所のみなさんで行きたいのですが、そういうのってどうでしょう?」

モバP「良いんじゃないかな、楽しそうで」

モバP「ただ、うーん……」

桃華「問題がお有りで?」

モバP「みんなで行くのはちょっと厳しいかな」

ありす「元旦ですから、予定が入っている方もいますよね」

モバP「予定もだけど、アイドル的にね」




モバP「この事務所の7人はそこそこテレビ露出が多いから知名度もなかなかある……と思う」

モバP「うち1人はデビューシングルがオリコン11位になったくらいだし」

モバP「昼夜問わず、人が集まる元旦の神社にテレビでおなじみの女の子がわんさか行くと……」

桃華「大変なことになりますわね」

ありす「注目されてしまいますね」

モバP「テレビのあの子だ! ワー! キャー! みたいにな」

モバP「事務所ってのはみんなの安全やプライバシーも守らなきゃいけないから、その状況になるのは賛成できない」




ありす「それなら、人の少ない神社に行きましょう」

モバP「個人的にはそっちもおすすめできないなぁ」

桃華「少ないのもダメですの?」

モバP「人が少ないところにアイドルがいっぱい行ったほうが目立っちゃうよ」

ありす「たしかに……」

モバP「1人2人でショッピングモール行くのと違って、大人数だとどうしてもね」

モバP「家族とか、1人でちょろっと行くくらいなら大丈夫だけど。いや、でも1人も危ないか」




ありす「やっぱり、みなさんでというのは無理ですかね……」

モバP「一応、みんなで行く方法はあると言えばある」

ありす「えっ」

モバP「人が来ないような神社に行けば良いんだ」

桃華「そんなところございますの?」

モバP「ひとつだけ知っているよ。郊外の奥まった場所にあるから人もいなくてベストだと思う」

モバP「ただ、でかい神社じゃないから巫女さんとかおみくじとか、そういったやつは無いけど良い?」

ありす「人が集まることでPさんに迷惑がかからないなら、そこにしましょう」




社長「初詣? みんなで?」

ありす「ダメでしょうか……?」

社長「アイドルが何人も行くと人目がねぇ……」

桃華「Pちゃまがあまり人の来ない神社をご存知だそうですわ」

社長「そうなの?」

モバP「郊外なので。もちろん保護者として俺も行きます」

社長「そうか。なら、とりあえず大丈夫かな」




ありす「行っても良いんですか?」

社長「P君が同行するなら任せられる。アイドルだけならノーだけど」

社長「彼のそばを離れないようにして、気をつけて行ってきなさい」

ありす「ありがとうございます、社長!」

桃華「感謝いたしますわ♪」

社長「いいっていいって。P君も、ちゃんと彼女達を見てやりなよー」

モバP「はい、もちろんです」

ありす「他の方々の予定を聞きに行きましょう!」




まゆ「Pさんや、ありすちゃん達と初詣?」

ありす「予定が空いていましたら、まゆさんもどうでしょうか」

まゆ「すごく魅力的ねぇ♪ でもダメなのよぉ……」

ありす「そうですか……」

飛鳥「ボクらは元旦に、初売りで服を買ってこようと思っていてね」

桃華「では、飛鳥さんも無理なのですね」

飛鳥「必然的に。せっかくのお誘いを申し訳無い」




まゆ「あ、でも予定をずらせないわけじゃないから、そっちを優先しても」

飛鳥「そうだね。別段買う物を決めていたわけじゃないし、ぶらっと行くくらいだから外しても」

ありす「そんな! そこまでは大丈夫です!」

桃華「さすがに元からの予定を動かしていただくのは迷惑にあたりますわ」

ありす「まゆさん達はまゆさん達で元旦を楽しんで来てください」

まゆ「そう? わかった。じゃあPさんと楽しんで行ってきてね♪」

飛鳥「次に何かある時は予定を空けておくから」




雫「初詣ですかー。みんな一緒だと楽しそうですねー」

ありす「雫さんも行きませんか?」

雫「うーん、実はですねー……」

モバP「雫はダメなんだよ。実家戻るから」

桃華「岩手のご実家に?」

雫「そうですよー」




雫「この頃、いつもより雪がすごいらしくてー」

ありす「例年より早い寒波ってニュースで何度も言っていましたね」

雫「両親だけだと雪下ろしだけでも大変ですし、牛さんのいる牛舎も補強しておかないと心配ですー……」

桃華「大変ですわね……。わたくし達にも何かできることはございませんか?」

雫「その気持ちだけで充分嬉しいですよー♪ あ、でもまたPさんが雪下ろしのお手伝いに来てくれれば頼もしいですねー♪」

モバP「えっ、俺!?」

雫「両親も牛さんもPさんのことをすごく気に入っていましたよー♪」

モバP「手伝える余裕があったら良かったが、年始は早々に仕事が……」

雫「残念ですー……」




ありす「飛鳥さんもまゆさんも雫さんもダメみたいですね」

桃華「年末年始ですから、仕方ありませんわ」

珠美「珠美は大丈夫ですよ!」

モバP「もっと早く聞いていたら、もしかすると変わっていたかもしれないな」

ありす「そうですね。今度はもう少し早く予定を聞くことにします」

珠美「珠美の予定は空いていますよ!」

桃華「この調子だと残りの方も厳しいかもしれません。どういたしましょうか?」




ありす「私達だけか、もしくはこれ自体無しって方向に……」

珠美「ちょっ、た……珠美はフリーですよ! 元旦も大丈夫ですよ!」

モバP「また機会があるかもしれないから、その時でも良いんじゃないか?」

桃華「名残惜しいですが、それもひとつの選択肢ですわね」

珠美「たま……」

ありす「じゃあ、珠美さんも参加ですね」

珠美「聞こえているじゃないですかー!」

モバP「いやぁ、珠美をいじるのは最高に楽しいな」




珠美「もう、3人ともいじわるですよ……」

モバP「まさか二人までノリに合わせるとは思わなかったよ」

ありす「珠美さんのリアクションって面白いので」

桃華「わんちゃんみたいでほのぼのしますわ♪」

珠美「わんちゃんって……珠美は、珠美は高校生なのに……」

ありす「そんな珠美さんのお茶目さも、私達の目標です」

珠美「も、目標? 目標かぁ。えへへ……珠美も年下の子達の目標にされてしまったかぁ……♪」

モバP (ちょろすぎて、ちょっと心配になってきた)




珠美「あっ」

モバP「ん? どうした?」

珠美「元旦……今思い出したんですが、親戚の家に行く用事がありました……」

ありす「お昼には、もういないんですか?」

珠美「たぶん、やっぱり行けません……」

桃華「気になさならないでくださいまし。ご家族の用事ならば、そちらを優先させるべきですわ」

モバP「そうだ。また次があるさ。お年玉いっぱいもらってきなよ」

珠美「うぅ、お心遣い感謝します……!」




イヴ「何のお話ですかぁ〜?」

ありす「元旦にみなさんで初詣に行きませんか、って話をしていました」

桃華「イヴさんもご一緒にどうでしょうか?」

イヴ「初詣? 行きます行きます〜♪ お正月はこれといって何も無くて、ゴロゴロするしかなかったので〜」

モバP「イヴは出身が出身だから、もしかして初詣とか初めてだったりする?」

イヴ「もちろんですよぉ〜! 神社は見たことありますけど、お賽銭入れたり拝んだりはしたことが無くて〜」




ありす「それなら是非一緒に行きましょう! 楽しみです!」

イヴ「ブリッツェンも行くよね〜……えっ、行かないの? 寒いから嫌? もー、トナカイでしょう〜?」

モバP「ま、まぁ無理に引きずり出すのもあれだから、留守番でも問題無いだろう。行き帰りで1時間くらいだし」

イヴ「すいません。この子、こたつのぬくもりを覚えちゃって……」

ありす「ブリッツェンの気持ちは察するに余りあります」

桃華「こたつの魔力を抜け出すのには勇気が必要ですもの」




モバP「それじゃあ、行くメンバーも決定したことだし、時間は元日の昼過ぎとかで良いよな?」

モバP「あけましておめでとうって新年迎えて、バラエティー番組見ながらゆったり朝昼のご飯を食べて、それから行きましょう。オッケー?」

ありす「問題ありません」

桃華「大丈夫ですわ♪」

イヴ「了解で〜す♪」




モバP「あと、帰省組や初売り買い物組も人混みでケガをしたり、寒さで体調を崩さないように気をつけるんだぞ?」

まゆ「もちろんです♪ しっかり気をつけますよぉ♪」

飛鳥「凍えるような空気なら、自分もまた風のようになれば良い。それだけさ」

雫「雪も寒さも慣れっこですからー」

珠美「P殿も体調にはお気をつけて!」

モバP「よしよし。みんなで気持ち良く新年を迎えよう。お疲れ様でした!」

ありす「お疲れ様でした!」

桃華「来年もよろしくお願いしますわ!」




元日 昼過ぎ


ありす「まだかな……もうちょっとかな……」

ありす「あっ、来た!」

モバP「ヘイ、お嬢様。お迎えに馳せ参じました」

ありす「あけましておめでとうございます、Pさん。今年もよろしくお願います」

モバP「あけましておめでとう。今年も一緒にがんばろうな」




桃華「ありすさん、あけましておめでとうございます♪」

ありす「あけましておめでとうございま……あれ? 桃華さん、うしろに座っていたんですか?」

桃華「ええ。先に乗った人が助手席を占有するのは、少々卑怯かと思いまして」

ありす「桃華さん、わざわざそんなことを……」

桃華「お正月ですもの。新年早々席の取り合いなんて野暮なことは脇に置いて、ここは並んで座りませんこと?」

ありす「はい! お邪魔します!」

桃華「どうぞ♪」




ありす「あとはイヴさんを迎えに行くだけなんですね?」

モバP「いや、イヴのところは最初に行ったんだがな……」

ありす「急な用事が入っちゃったんですか?」

桃華「いいえ、イヴさんもブリッツェンもいらっしゃったみたいなのですが」

モバP「年が明けてから放送している生放送のバラエティー番組をぶっ通しで観ていたんだろう。こたつで爆睡してた」

ありす「ああ、なるほど……」




モバP「声かけたり揺すってみたりしたけど全然ダメ。昼前に行ってそれだから、あれは夕方まで起きないな」

ありす「そのままにした、と」

モバP「そうしようと思ったが、こたつで寝ると風邪引いちゃうだろう? 無理矢理引っ張ってふとんに寝かせてきたよ」

モバP「あの時、気のせいかもしれないが、ブリッツェンが何だか申し訳なさそうな顔をしていたように思えた」

桃華「ブリッツェンですもの」

ありす「ブリッツェンですからね」

モバP「ブリッツェンだもんなぁ」




モバP「で、出発前に……正月恒例のお年玉だ。ほい」

ありす「本当ですか!? ありがとうございます!!」

桃華「わざわざいただけるなんて、感謝いたしますわ♪」

モバP「ちなみに中身は一律1000円にしてある」

モバP「あまり大きい金額を包んでも色んな意味でよろしく無いと思ってな」

ありす「こういうのは、いただけるだけでとってもうれしいんですよ」

モバP「そう言ってもらえると贈った甲斐があるよ。よーし出発するぞー!」




神社前


モバP「着いたー。いやー、さすが正月。外方向への道は車少なくて楽だな!」

モバP「……って、2人とも寝てるし。年越しで日付変わるまで起きていたんだな」

モバP「アイドルなんだから夜更かしとか気を付けてほしいものだけど、正月くらい良いか」

モバP「おーい。眠いところ申し訳無いが、神社に着いたぞー」

桃華「ふわぁ……」

ありす「んぅ……じんじゃ……」









ありす「じ……えっ?」

桃華「Pちゃま、あの、あれは?」

モバP「あれは鳥居だ」

ありす「そうじゃなくて」

桃華「しかも、ところどころ色が剥げてたり壊れていたり……」

モバP「修理してほしいものなんだがな」




ありす「何なんですか、ここは」

モバP「めったに人が来ない神社だよ」

ありす「こんな見た目なら人なんか来ませんよ!」

モバP「こんなとは失礼な。一応管理はされているんだぞ? 夏に来ればわかるけど、ちゃんと草刈りされているんだから」

桃華「何かに憑かれません?」

モバP「憑かれないよ、神社なんだから、むしろ祓ってくれる。行こう行こう」







ありす「石段も何も無いんですね」

桃華「参道というより獣道ですわ」

モバP「石段はもう少し……ほら、そこの鳥居の辺りから」

ありす「そうですか。って石段割れてますけど!」

モバP「古いからしょうがない。たしか400年前くらい前からある神社のはずだから、これくらいのほうが風情があると思わないか?」

桃華「歴史があると言われれば、一応そう感じますが……」

モバP「だろう? もう到着だ」







モバP「さぁ、着いた。ちっちゃいけどここが終点」

ありす「なんでこんなに鈴とか紐とかいっぱい付いているんですか!?」

モバP「それは……稲荷だから、九尾の狐にあやかっているとか?」

桃華「1、2、3……8本ですわよ?」

モバP「俺も詳しくわからないから、仕方ない!」

ありす「ちなみに、稲荷神社の神様は狐じゃないんですよ」

モバP「そうなのか。ありすは物知りだな」

ありす「これくらい当然です」

モバP「さぁさぁ、とりあえず寒いから早く拝もう」




モバP「……」

ありす「……」

桃華「……」

モバP「どう? しっかりお願いした?」

ありす「もちろんです!」

桃華「1年間の願いを込めましたわ♪」

モバP「そうか。ちなみに何お願いしたの?」

ありす「えー、恥ずかしいですよ。聞くならまずPさんから話してください」

モバP「俺から? そうだなぁ」




モバP「ありすや桃華、他のみんなもアイドルとして大成できますように! だな」

桃華「オーソドックスですのね」

モバP「大喜利じゃないんだからさ……ひねったって何かあるわけでもないし」

モバP「それに、2人にもっと活躍してほしいって思っているのは事実だよ」

ありす「Pさん……ありがとうございます」

桃華「Pちゃまも、ようやく紳士らしくなってきましたわね」

モバP「どうも。そっちは?」




ありす「似たような感じですよ」

ありす「アイドルとしてもっと活躍して、ファンのみなさんや支えてくれる人を笑顔にしたい」

ありす「まとめると、こうですね」

モバP「そうだな。みんなの笑顔のため……ありすはそのためにアイドルになったもんな」

桃華「わたくしも同じですわ。ファンの方はもとより、もっともっとPちゃまのために躍進しますわ!」

ありす「あっ! わ、私だってPさんへの恩返しの目的もありますよ!」

モバP「俺のためか。ははは、がんばりなよ」




桃華「Pちゃまと出会っていなければ、こうしてアイドルをしていることもなかったのですから」

桃華「感謝の気持ちでいっぱいですわ」

ありす「私もPさんのおかげで、今があるんだと思っています」

モバP「こっちも、ありす達のような子と出会えて感謝だよ。本当に運が良かった」

ありす「運は自分で掴むものですよ、Pさん」




モバP「じゃあ訂正だ。アイドルになるべくしてなったんだ。遅かれ早かれそうなっていた」

モバP「俺は、そうだな……。みんなと出会う幸運を掴んだ。そして、みんなはアイドルデビューという幸運を掴んだ」

モバP「そういうことなのかもな」

ありす「それなら、掴んだ運を離さないように、私達もがんばります」

桃華「Pちゃまやファンのみなさんの気持ちに応えてみせますわ♪」

モバP「ああ。今年もがんばろう。笑顔でいっぱいの年にしよう!」




ありす「笑顔……笑顔で……うーん」

桃華「ありすさん? 何を考え込んでいらっしゃるのですか?」

ありす「……思いつきました! 飛鳥さんに勝つ方法を!」

モバP「まだやっているのか。もう良いって、真剣勝負とかで雰囲気悪くなったりしたら俺も困るんだから」

ありす「いいえ、これは間違いなく誰も損をしません!」

モバP「ずいぶんな自信だな。ケンカとかにならないなら歓迎するけど」

ありす「あとで説明します。Pさん、飛鳥さんが次に事務所に来る日を教えていただけませんか?」




数日後 社用車内


飛鳥「運は自分で掴む、か。良い言葉だね」

モバP「12歳で小学生だから、たいしたこと無いと思うだろう? 違うんだよ」

モバP「自分達が思っている以上に、年下の子はよく考えているんだ」

飛鳥「ませている、と言えばそれまでだけどね」

モバP「それは、おもにお前が該当しているんだぞ、飛鳥」

飛鳥「妙に背伸びしている小生意気なヤツだからってことかな?」

モバP「さて、どうだろうな」




飛鳥「ボクもキミには感謝しているよ。アイドルの道に、この喜びの未来に引き入れてくれたことに」

飛鳥「ボクが見つけた心の鍵、もうキミに預けてある。どうするかは決めてくれ」

モバP「責任重大だな。鍵の付いた箱にでもしまっておくよ」

飛鳥「その返答、実にミステリアスだね」

モバP「ミステリアスか? ……あ、電話だ。ちょっと車止める」




モバP「はい、Pです。はいはい。あと10分くらいで着くよ。“準備”はしておいて。はーい」

飛鳥「事務所?」

モバP「うん。ありすと桃華が事務所にいるんだけど、“用事”があってね。時間を気にしているみたいなんだ」

飛鳥「なるほど。じゃあすぐに事務所に行こう」

モバP「了解!」




事務所前


モバP「飛鳥、俺ちょっと車に忘れ物したから先に行ってもらえるか?」

飛鳥「わかった。レディー達を待たせているんだから、手早くね」

モバP「もちろん」

ありす(来ました!)

桃華(準備万端ですわ!)

飛鳥「どうも、おつか……」

ありす「ハッピー!!」

桃華「バースデー!!」

飛鳥「えっ……!?」




ありす「お誕生日おめでとうございます!」

飛鳥「あ、ああ。ありがとう……。でも、これは一体……」

モバP「勝負だそうだ?」

飛鳥「はぁ? 勝負?」

ありす「そうです!」




飛鳥「ボクの誕生日は2月3日だから、まだ1ヶ月くらい先だけど……」

ありす「はい。1ヶ月フライングバースデーパーティーです」

桃華「ケーキもございます。びっくりしましたか?」

飛鳥「まぁ、驚いたね」

ありす「気づかないうちに虚をつくのも実力、つまり作戦です」

桃華「それも、笑顔にさせる作戦ですわ」

飛鳥「あっ……」




飛鳥「あ、あはは! ははははは! な……何だいそれ? そんなの、ふふっ」

ありす「やった! 笑った!」

飛鳥「あー、負けたよ。完敗だ。発想の勝利だね」

桃華「勝ちましたわ!」

ありす「やりました!」

モバP「ドッキリ大・成・功! 今のお気持ちは?」

飛鳥「最高に嬉しいよ。キミの言った通りだ、ボクが思っている以上に彼女らはよく考えている」

モバP「そうだろう?」




社長「いやー、二宮君の爆笑というか、心からの笑顔を見たのは初めてかもしれないな!」

ちひろ「私もです。彼女はいつもクールですけど、やっぱり笑顔のほうがカワイイですね」

イヴ「女の子は笑顔が1番なんですよ〜☆」

モバP「ちなみに、そのケーキを手配したのはイヴなんだ」

イヴ「元バイト先のケーキ売り場に頼みました〜♪」

飛鳥「そうだったのか。ありがとう」

イヴ「いえいえ〜♪」




ありす「まだ時間があるなら、ケーキ食べて行きませんか?」

飛鳥「うん。そういえば、他の子は?」

桃華「実は……本当にサプライズのつもりだったので、事務所の方々以外にはお知らせしておりませんの」

ありす「まゆさん達にはちょっと悪いことしました……」

モバP「安心しろ! 残りのメンバー込みで来月もう一度誕生日を祝うから!」

飛鳥「ボクだけそんな贅沢に祝われるのも申し訳無いけど、今はとにかくパーティーを楽むことにするよ」




ありす「事務所が笑顔でいっぱいですね」

桃華「年明けに幸先が良いですわね♪」

ありす「桃華さんが言ったように、今年はこんな日々が続いていく気がします」

桃華「違いますわ、ありすさん。今年“も”ですわ」

ありす「ですね! ほら、ケーキいただきましょう! ケーキ!」

桃華「ええ♪」




――fin――

 


 SS速報VIPに投稿したモバマスSS11作目。
 前回と同じく、まとめサイトさんで誤字(というか言葉の意味を間違っていた)についてご指摘を受けましたので
 このHPに載せている分はそこを修正しています。元日と元旦を間違うなんて!

 個人的にはなかなか良い感じにまとまったのですが、評価は厳しめなものが多かったです。
 やっぱあれかな、蠣崎稲荷を推しすぎたかな……モバマス関係無いもんな……。

 飛鳥の斜に構えた厨二口調は、書いてみるとなかなか難しいッス。あまり生意気っぽく無い。
 次に書く時はもっと腕を上げなければ!

 

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