ありす「バレンタインチョコを」 桃華「作りましょう!」





ありす「はい、始まりました。プロダクション対抗トークバトルショー・1回限りの特別ラジオバトル編です」

薫「わーい!」

小春「わ〜い♪」

雪美「……わー」

ありす「偶然聴いていた方、告知を聞いて待機していた方、色々なリスナーさんがいるはずです」

ありす「まずは、私達4人の自己紹介からしたいと思います」




ありす「実質的に進行役を務めます、橘ありすです。よろしくお願いします」

雪美「……佐城……雪美……しゃべるの……大変」

薫「かおるはねー、かおるだよー! よろしくおねがいしまー!!」

小春「古賀小春って言います〜。こっちはイグアナのヒョウくんです〜」

ありす「ラジオだから姿は……というかヒョウくん連れて来たんですか!?」

小春「ヒョウくんもラジオデビューです〜」

ありす「イグアナはしゃべれないからラジオは厳しいと思いますが……」




橘ありす(12)




佐城雪美(10) http://i.imgur.com/wuOOh07.jpg




龍崎薫(9) http://i.imgur.com/NeCqW9j.jpg




古賀小春(12) http://i.imgur.com/eYLreeT.jpg






ありす「通常のトークバトルショーはライブステージでのパフォーマンスなのですが、私達が出演した回が非常に好評だったとのことで」

ありす「今日は特別増刊号として、ラジオ局からお送りしています」

ありす「なので文字通り音声だけ、“トーク”が主体のショーということになりますね」

雪美「つまり……普通の……ラジオ番組……」

ありす「雪美さん! その通りですけど、そういうことは言っちゃダメですよ!」

薫「テーブルにマイクがあって、がっこの放送室みたいだねー!」

小春「ヒョウくん、これがマイクだよ〜」

ありす「あっ、ヒョウくん! マイクをペロペロしないでください!」




ありす「……えー、のっけからグダグダで先行きが不安です」

ありす「このスタジオからガラス越しの部屋に音響さんとかスタッフさんがいまして、そこに私達のプロデューサーもいるのですが……」

ありす「Pさん、これ大丈夫ですか? ……あぁ、オッケーってジェスチャーしていますね」

薫「せーんせぇー! 見えるー?」

雪美「大丈夫……Pも……こっち見てる……」

小春「Pさ〜ん、ヒョウくんもラジオ収録楽しそうですよ〜♪」

ありす「みなさん、Pさんじゃなくてマイクに向かってください」




薫「ねーねー、ありすちゃん」

ありす「何でしょう?」

薫「プロダクションたいこーなのに、かおるたちしかいないよ?」

ありす「それは……」

小春「他のチームがいないと、バトルできないです〜」

雪美「やっぱり……ただのラジオ……」

ありす「そ、そういう番組名なんですから。バトルしなくてもトークバトルショーです!」

薫「そっかぁ!」




小春「あ、Pさんが何か出してますよ〜」

薫「なになにー? 紙かなー?」

ありす「『タイトルコール!!』……あっ、そうでした。まだ番組名のコールをしていませんね」

薫「そういえば『さぁ、始まりました』からだったねー」

ありす「はい。失念していました」

雪美「……ドンマイ」

ありす「ありがとうございます。改めて全員で番組名を言いましょう」

ありす「私、雪美さん、小春さん、薫さんの順番でも良いですか?」

小春「大丈夫です〜」

雪美「……うん」

薫「いいよー!」




ありす「では行きますね」



ありす「プロダクション対抗!」

雪美「……開運」

小春「なんでも〜」

薫「かんてーだーん!!」



ありす「えっ? 番組違いません? それ、お宝鑑定するやつですよね?」

雪美「……今という……日々が……かけがえの無い……お宝」

ありす「良い言葉ですね……いやいや、そうじゃなくて」




http://i.imgur.com/FrN1wkj.jpg

※イメージ映像




ありす「改めて開始となりました、プロダクション対抗トークバトルショー・1回限りの特別ラジオバトル編」

ありす「先ほどツッコミがちらほら入りましたが、実際プロダクション対抗でも無いしバトルもしません。対戦相手がいないので」

小春「一体何をするんですか〜」

雪美「……しゃべる」

ありす「そうです。マイクに向かってしゃべります」

ありす「台本には『メインのトークは流れで適当に』って書いていましたし、何か話して盛り上がれば良いのではないでしょうか?」

薫「お話ししてもいいの? かおる、いっぱいあるよ!」

小春「ヒョウくんもいっぱいお話ししたいって言っています〜♪」




雪美「……私……お話し……する」

薫「おぉー、雪美ちゃんがやる気だ!」

小春「ノリノリです〜♪」

ありす「こんなに積極的な雪美さん、初めて見ました」

薫「それならさ、雪美ちゃんにお話ししてもらおうよ! ね?」

小春「賛成です〜♪ ありすちゃんはどうですか〜?」

ありす「私も同感です。雪美さん、お願いできますか?」

雪美「……わかった」




雪美「この間……道を歩いていたら……頭に……赤い洗面器を……乗せた人が……いて……」

雪美「洗面器を……うん……」

ありす「?」

薫「?」

小春「?」

雪美「そして……その人が……ふふっ……」

ありす「……雪美さん?」




雪美「……どう?」

ありす「え? あー、その、シュールです……ね?」

薫「どういうことー?」

小春「ヒョウくんはわかる〜?」

ありす (Pさんは……Pさんもあんまりよくわかってない顔していますね)

ありす「ゆ、雪美さんありがとうございます! リスナーさんもノリの良い雪美さんの声が聴けて喜んでいるはずですよ!」

雪美「……楽しい」




薫「次はどんなお話しするー?」

ありす「とりあえず、何か1つテーマを設けてそれについて話題を広げるというのは? このままだと話題がちらかりそうな気もします」

小春「1つのテーマですか〜。それなら私達4人の共通しているようなことが良いですね〜」

雪美「……学校」

薫「かおるも、がっこのことならいっぱいあるよ!」

ありす「それでは、学校生活のエピソードを語っていきましょう」

小春「最初が雪美ちゃんだったから、次は小春から〜」




小春「この間の図工の時間に、版画を彫っていたんですけど〜。途中、勢い余って彫刻刀が……」

雪美「だめ……だめ……いたいのは……だめ……」

薫「うえぇ……」

ありす「小春さん、そのチョイスはさすがに……」

小春「ダメですか〜? 学校であったことなんですけど〜」

ありす「聴いている方の精神力を削り取る話はちょっと」

雪美「……彫刻刀だけに……削り取る……なるほど」

薫「ありすちゃん、ざぶとん1枚!!」

ありす「いえ、その、ギャグのつもりで言ったわけでは……!」




ありす「ラジオをお聴きのみなさんに説明しますと、今のは前のトークバトルショーの台本読み合わせ時に出た話題なんです」

薫「『がくやネタ』ってやつだよねー?」

雪美「黒板……カマキリ……」

小春「ひゃあああ〜〜降参です〜〜! 無理です〜〜!」

薫「ぎぶ! ぎぶあっぷ!」

ありす「……よく考えたら、あの話も全部学校のことでしたね」




ありす「この話題を出してもリスナーさん置いてけぼりになっちゃいますね」

ありす「学校以外だと、何か共通の盛り上がる話ってありますか?」

雪美「……こわい……話」

小春「こ、こわい話ですか〜?」

薫「むー……かおる、こわいのはイヤだよぉ」

ありす「夏だったら、間違いなく盛り上がると思うんですけど、時期が時期ですからねぇ」

雪美「……じゃあ……こわくない……話」

ありす「怖くない話!?」

雪美「……そう」




雪美「……こわい……お話は……夏に……ぴったり」

雪美「……夏に……やると……いい具合に……すずしくなる」

雪美「……だったら……逆に……まだ少し……寒い冬に……こわくない……お話しをすると……ぽかぽか……あったかくなる……はず」

小春「はえ〜、なるほど〜」

ありす「なんか超理論すぎませんかそれ!?」

薫「こわくないなら、なんでもいいよー」

雪美「お手本で……私から話しても……良い……?」

ありす「ええ、お願いします」

雪美「……うん」







金縛り
語り:佐城雪美


これは……ある寒い日の……こと……。

朝に……目を覚ましたら………体が……動かない……びっくりした……。

頭……腕……普通に動く……でも……起き上がれない……。

胸が……重い……苦しい……声を……出そうとしても……うぅぅっ……って感じにしか……出ない……。

がんばって……頭を……起こして……どうなっているか……見た……。

そうしたら……










ペロが……私の上で……寝てた……。




薫「あははっ、なにそれー!」

小春「ペロちゃんって、雪美ちゃんが飼ってるネコさんですよね〜? 寝るときも雪美ちゃんの側にいたいんですね〜。カワイイです〜♪」

雪美「……重いから……ペロ……起こして……ふとんに……入れた」

雪美「この話……ぽかぽか……なった……?」

薫「うんっ! おもしろかった!」

雪美「こわくない……よね……?」

ありす「まぁ、たしかに怖い話では無いですね」

雪美「……グッジョブ」



ありす「つまり、日常のたわいの無い出来事をホラーっぽく語ってみると。そういうことですね?」

雪美「……うん」

ありす「面白いと思いますよ。ちょっとした朗読劇みたいですし、トークバトルショーにはピッタリかと。小春さんや薫さんはどうですか?」

小春「良いですね〜。やってみたいです〜」

薫「かおるも、やってみたい! おもしろそう!」

ありす「それでは、怖くない話をメインにやっていきましょうか」

雪美「次は……だれ……?」

小春「は〜い♪ 小春、お話ししたいです〜♪」







消えたハイビスカス
語り:古賀小春


ママが、お友達から鉢植えをもらってきたんです〜。

ハイビスカスの鉢植えです〜。もう少しするとキレイなお花が咲くって言われました〜♪

小春のお部屋に置いてもらって、ずぅっと眺めていたんです〜。

寝るときもヒョウくんと一緒にふとんに入ってから、はやく咲かないかな〜咲かないかな〜って、ヒョウくんにいつも話しかけていました〜♪

しばらくしたら、ついにお花が咲いたんですよぉ〜! 真っ赤でキレイなお花です〜♪




でも……次の日、朝起きると、お花が無くなっていたんですぅ……

ママも、パパも、お花には何もしていないって言ってました〜。

何日かして、別のつぼみが咲いたんです〜。だけど、また次の日に無くなったんです〜……。

3つ目のお花が咲いた日、小春は……夜に起きていることを確かめようと思いました〜。

寝たふりをして、ヒョウくんを抱いてじっとしていたんです〜。

でも、いつの間にか寝ちゃっていて、ふと起きたらヒョウくんがいないんです〜!

そこで電気を点けたら……










ヒョウくんがお花をむしゃむしゃしていたんですよ〜。




薫「えっー! ヒョウくんが食べちゃったのー!?」

雪美「ペロより……食いしん坊……」

ありす「ヒョウくんはお花も食べるんですか?」

小春「はい〜。ペットショップの店員さんに聞いたら、お花も食べるんだそうです〜」

薫「前にカブトムシも食べようとしていたよねー」

小春「そうなんですよ〜」

小春「ヒョウくん、おいしくてももらい物のお花は食べちゃダメだよぉ〜? めっ! なんだから〜」




ありす「半分まで来ましたね。残りは私と薫さんの2人です」

ありす「どちらが先にやりますか?」

薫「はいはーい! かおるが先にやってもいい?」

ありす「それでは、薫さんが先でお願いしますね」

薫「えっへへー♪ わかったー!」

薫「んーとねー。えっとねー」







塩むすび
語り:龍崎薫


この間ね、おしごとに行くときに、せんせぇに差し入れを作ろうと思ったの!

おっきなおにぎり! 手づくりして、持っていこーって! えへへー!

ママに言ったら、『手伝う?』って言われたけど、かおる1人で作るからだいじょーぶって言ったの!

でね、ごはんを炊いて、のりも用意したんだけど、お塩がどこにあるのかわかんなかったんだー。

それで、戸棚とかを探したらね、プラスチックの箱に入った粉があったんだよ!




あったー! って喜んで、スプーンでお皿に取って、じゅんびばんたん!

あつあつのごはんをまぜまぜ、お塩を手につけてから三角にぎゅっぎゅっ! のりをまいて、かんせーい!

おしごとに行って、お昼にせんせぇに渡したの!

せんせぇがね、ありがとうって言ってくれたよ! えへへ♪

そのあと、せんせぇがおにぎりを食べたんだけど、なんかおかしいの。むずかしい顔になったの。

ヘンだなーって思って、せんせぇのおにぎりをちょこっともらったんだ。

それを食べてみたら……










おにぎりが甘かったんだよー!!




薫「お塩とお砂糖を間違えちゃったみたい。せんせぇ、ごめんね?」

ありす「Pさん苦笑いしていますね」

小春「はわぁ〜、お菓子みたいな味のおにぎりですか〜……なんかすごそうです〜」

雪美「……お塩と……お砂糖の……入れ間違い……マンガみたい……だね」

薫「も、もうっ! ひどいよ雪美ちゃん!」

ありす「調味料の間違いはたまに起こるミスですから。よくあることですよ」

雪美「……ドンマイ」

薫「今度は間違えないから! かおる、がんばるもん!」




ありす「私も料理番組に出た際に、オリーブオイルとゴマ油を間違えそうになったことがありました」

薫「あっ、イチゴのお料理作ったときでしょー? かおるも見てたよー!」

ありす「本当ですか? ありがとうございます!」

小春「小春はお仕事で見ていませんでした〜……。どんなお料理だったんですか〜?」

ありす「ふふふ、名付けて……」

雪美「橘流……サイケ……イタリアン……」

ありす「サイケは入ってません! 橘流イタリアンです!」

雪美「あれを見て……ありすちゃん……未来に……生きて……いるんだなって……思った……」

ありす「えっと、それは、褒めているってことにして良いんですよね?」




薫「さいごはぁー……ありすちゃん!!」

ありす「トリになってしまいました。緊張します」

雪美「……鳥?」

ありす「トリ、最後の締めくくり担当の人のことですよ」

小春「ヒョウくんも鶏肉好きなんですよね〜」

ありす「本当にヒョウくんってなんでも食べますね……」

ありす「たいした話はできませんが、期待に応えるようにがんばります」







事件の結末
語り:橘ありす


私はよくミステリー小説を読んでいます。特に最近は持ち歩いているタブレットで電子書籍版を読むことが多いですね。

ですが、もちろん紙のミステリー小説だって読みますよ。かさ張るからそんなに持ち歩きはしませんが。

ある日、中古ショップの行くと、小説コーナーになんとなく面白そうな本がありました。

表紙買いというやつでしょうか。何かミステリーものが読みたかったので、そのまま買ったんです。

家に帰って読もうとして……驚きました。




最初のほうに主要登場人物の名前が乗っているページがあったのですが、とある1人の名前が丸で囲まれているんです。

どう見ても鉛筆書きでした。こすったら指が黒くなったので確定です。

面食らったというか、落胆しましたね。『あぁ、この囲んである人はきっと犯人なんだ』って。

実際には読まなければわかりませんけど、1人だけそんな強調されたら、犯人だって思っちゃいますよ。

前の持ち主がやったのかわかりませんが、ミステリーでこんなネタバレをするなんて許せません。

ガッカリしながら読み進めていきましたが、私も読みながら丸をされた人物の行動は怪しいと思っていました。

そして、最後まで読んでみると……










その人、別に犯人じゃなかったんですよ。




薫「えー?」

ありす「重要な人物ではありましたが、最後まで生き残りましたし、犯人は別人でした」

小春「それじゃあ、丸は何だったんですか〜?」

雪美「……落書き?」

ありす「そう、私が思うに……おそらく『この人怪しいな。犯人かな?』みたいな予想をして、メモしたんじゃないでしょうか」

小春「小春もよく忘れ物をするからメモするんですよ〜。同じですね〜♪」

ありす「これを聴いているみなさん、本に変な落書きしないでくださいね!」

ありす「やっても構いませんが、売るときにしっかり消してください!」




ありす「これで4人一周しましたね。次は別な話題で話してみませんか?」

小春「あっ、待ってください〜。Pさんがまた紙を出しています〜」

薫「せんせぇ、今度はなぁにー?」

ありす「『そろそろシメで』……シメ? もう終わりですか!?」

雪美「……はやい」

小春「まだ、こわくない話しかしていないです〜」

薫「次にやればいいよー!」

ありす「特番なので次回は無いのでは……別な機会にやりましょうね、薫さん」

薫「わかったー!!」




ありす「あまり多くの話はできませんでしたが、いかがでしたでしょうか?」

ありす「今回はラジオ番組の形でお送りしていますが、ステージ上のトークバトルショーはもっともっと派手ですから」

ありす「是非、本来のトークバトルショーもよろしくお願いします」

薫「おねがいしまー!!」

小春「ヒョウくんもお願いしますって言っています〜」

雪美「……今度が……あったら……ペロ……連れてくる」

ありす「次はテレビでお会いしましょう。それでは」

小春「さようなら〜。ヒョウくんもほら、マイクにさようなら〜って」

薫「まったねー! 応援してねー!」

雪美「ばいばい……ふふっ……」




本番終了後


モバP「おつかれー」

ありす「お疲れ様です」

モバP「どうだった? 初めてのラジオは?」

ありす「カメラじゃなくてマイクだけに向かうのは、それはそれで緊張しますね」

ありす「そのせいか時間の経過もだいぶ速く感じました」

モバP「あー、枠に関しては時間少なかったかなって思っていた。もうちょっと長い枠が取れたら良かったんだが……」

ありす「いえ、私だって初めてですし、いきなり1時間枠とかになっても焦ると思います」

モバP「そうか。でも今日は初めてにしては上出来だったよ。よくやった!」

ありす「こ、これくらいなら当然ですよ……えへへ」




薫「せんせぇー! かおるも、がんばったよー!」

モバP「うんうん。薫も元気いっぱいで、聴いている人も元気になったに違いない」

薫「えへへー♪ ぶいっ!」

小春「Pさ〜ん、小春とヒョウくんはどうでしたか〜?」

モバP「小春もトークが良かったよ。ヒョウくんも声は出ないけど、存在感がかなり出ていたと思うぞ」

小春「やった〜! ヒョウくん、褒められちゃいましたよ〜♪」




雪美「P……」

モバP「雪美もがんばったな。ステージパフォーマンスはできるけど、しゃべるのはまだそんな得意では無いだろう?」

雪美「……うん……でも……こういう……しゃべるお仕事も……楽しい」

モバP「楽しかったか、そっか。楽しく番組ができたのなら俺も満足だよ」

モバP「そんな番組を楽しめている雪美に、新しいお仕事を紹介しよう」

雪美「……どんな?」




モバP「L.M.B.Gの……マーチングバンドの仕事は、雪美以外のみんなは経験しているよな?」

ありす「演奏したり歌ったりしたあれですね」

モバP「そう。雪美にも、ついにあの仕事が入ったぞ!」

雪美「……ほ……本当……?」

モバP「本当だ。遅くなって申し訳ない」

小春「うわぁ〜、雪美ちゃんおめでとうございます〜♪」

薫「すごーい! 雪美ちゃんおめでとー!」

雪美「ふふ……ありがとう……」




ありす「おめでとうございます。ちなみに楽器は何を使うんですか?」

モバP「それはな……ハーモニカだ!」

雪美「ハーモニカ……? ど……どうしよう……吹けない……」

モバP「大丈夫だって。まだまだ先の話だから。練習しよう!」

雪美「う……うん……」

ありす「もっと簡単な楽器は無かったんですか?」

モバP「リコーダーとか太鼓とかの簡単なやつはあらかた使い切っちゃってさ……」




ありす「もう、しょうがないですね。雪美さん」

雪美「……なあに?」

ありす「一緒に練習しましょう、ハーモニカ」

雪美「……良いの?」

小春「それいいですね〜。1人だけよりも、みんなでやれば楽しくなります〜」

薫「かおる、ハーモニカ吹いたことない! やりたい!」

モバP「本当か? みんな協力してくれるのか?」

ありす「せっかくのマーチングバンドのお仕事なんですから、それは良いものにしてあげたいですよ」




モバP「よし、それならL.M.B.Gの先輩達に雪美のことをお願いしよう」

薫「せんぱいだよー! えっへん!」

ありす「時間の余裕ができ次第、ハーモニカを買ってきましょうか」

小春「ヒョウくんにもハーモニカを買ってあげたいです〜」

雪美「……みんな……ありがとう」

雪美「うまく……なったら……Pの前で……演奏してあげる……」

モバP「おぉ、それは期待しちゃうな。みんなと一緒にがんばろうな雪美!」

雪美「うん……がんばる……ふふっ……」




――fin――

 


 SS速報VIPに投稿したモバマスSS13作目。
 第5回プロダクション対抗トークバトルショーの4人をメインに据えた作品です。

 ちょうどこれを書いているときに、[マーチング☆メロディー]佐城雪美カードが登場するという
 非常に絶妙なグッドタイミング(意味めちゃくちゃ)に恵まれたため、こりゃいけるんですけどおおおお!! って感じでオチに使いました。

 ありす・雪美・薫ちゃんの3人は難なく書けたのですが、小春ちゃんが難しかった。
 小春ちゃんの独特の、のんびりまったりな”言葉の間”というものを表現しようとしても、なかなかうまくいかない。
 この程度で悩んでしまうとは……まだまだ書くスキルが足りない!!

 

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